Sleep tight

ステエションズ vo,gt

2021.01.10

檸檬のキリンザストロングをシンクに流す。フローリングの床が冷たい。深夜三時だということも相まって、靴下を履いていても死人のような足先になっていた。半分以上残っていたのに勿体無いなあ、と思いつつも全部流し切る。やけ、と言うにはまた違う何とも言えない気持ちになって一人で缶を開けた。そんなに非力では無いはずなのだが缶を開けるときに少し時間がかかる。何となく両手を使うのが嫌で片手で開けるとプシゥ、と歯切れの悪い音が鳴った。あまり味は覚えていない。最近よく夢をみる。夢なのか現実なのか見分けがつかない夢ばかり見るので起きたあとにもしあれが現実だったらどうしよう、と思う。今日見た夢は何回か見た夢の続きのような夢で、前と全く同じ場所にわたしが居た。あまり覚えていないが千と千尋の神隠しのような不気味さがあった。カーペットで眠っていたからか眠りが浅い。年が明けてもう十日も経っているというのに未だに二〇二〇年を生きているような気がする。私だけなんだろうか。明けましておめでとうございます、と言いつつもまだ十二月の空気をすっているような感覚。そろそろしっかりして欲しい。駅に近いセブンにはもう恵方巻きの広告が出ていた。ぼやぼやしていられないが、かと言って焦りたくも無い。

この前、母からオナニーマシーンというバンドのイノマーさんの話を聞いた。「家、ついて行ってイイですか?」という番組がその時たまたまやっていたらしい。40分程の密着映像を母は泣きながら観たと言っていた。命を精一杯使い切って死んでいった、という文を見てこうで在りたいと思った。自分の人生について聞かれたときに迷わず「楽しい。楽し過ぎるのもよくないな」と答えていた場面と、日記に書かれていた「死にたくない」の文字を忘れられないでいる。わたしに出来ることというのは、毎回これが最後の歌、という気合いで歌うことで、しあわせをしあわせと感じられる繊細な心でいることで、生きることと死ぬことを考えることだ、と思う。