Sleep tight

ステエションズ vo,gt

2020.06.21

授業の一環でボーカルを頼まれた。自分ではあまり作らないメロディーと、聴き慣れないコードの歌だった。音源提出日の数日前に突然歌詞を丸投げされて若干殺意が沸きながらもiPhoneのメモ帳に詞を書いた。音源に歌入れをしたのは締切当日の朝八時頃だったと思う。締切までに充分時間はあったはずなのにとにかく時間に余裕が無かったが、その曲は凄く良い曲だった。仮タイトルは「朝」。捻りが全く無いのが彼らしい。その頃には少しずつ始動していた(と思う)バンドで歌うことを想定して作った。なかなか焦って提出した割にとても好評で嬉しかった。提出以降もリミックスを繰り返して今に至る。今までひとりで曲を作ってきたわたしにとって「誰かと曲を作る」という作業は新鮮だった。違う自分が見えたようでとても楽しかったし、偶然にも思想や好みが合うひととだったからこそ楽しいと思ったんだと思う。わたしに歌わせてくれたことが本当に有り難い。バンドで練習を重ねて春にスタジオでレコーディングをした。わたしの知らない間に本タイトルは「CHAN」になっていた。ドラムの虎太朗が在学中からわたしをチャンミサキと呼んでいて、それから取ったらしい。あまりにも適当過ぎるがその時の温度が良いなと思った。学校の一室で録っていた歌が、今はApple MusicやSpotify等のサービスで聴けるようになっていることは奇跡のようなことだ。たまに電車で自分のバンドを聴く。一年前の歌は今聴くと納得いかない点はあるものの、聴く度良いバンドだなと思う。あの時の根拠の無い、暖かかった大丈夫を思い出す。わたしを信じてくれているひとの言葉を思い出す。信じてくれているひとをわたしも信じている。心の何処かでわたしとわたしたちがずっと大丈夫ということを知っている。君が居るからまた歌う。