Sleep tight

ステエションズ vo,gt

2020.04.27

数年前までの春は綺麗な桜を見るたびに切なかった。散る前から散るときのことを思って儚いなあと悲しくなる。春特有のしんぴんの匂いを感じるたび、ひやっとした校舎の壁に触ったときのようにいつもどぎまぎした。今年は花見は出来なかった。まだ自粛要請が出るまえの四月上旬、いつもの車内。道中に窓全てを覆う桜が見れる瞬間がある。そこを通過するときだけ、車内に居るにんげんたちの肌がほんのり桃色に染まる、それがとても好きだった。iPhoneに目を落としたままの周りのひとたちのことを勿体無いなあとおもった。画面の世界よりもっと綺麗な世界が世の中にはいっぱいあるのにな。薄い膜の外から傍観するだけじゃなく、じぶんの瞳で見てじぶんの耳で感じること。景色も、映画も、音楽も、生活も、すべて。時間をかけて出汁をとったり煮込んだ料理が美味しいように、色んなことを感じたり経験したことが日々に溶け込んでいるようなひとの生活は素敵だなと思った。

あたらしい曲をずっとずっと作っている。以前より出したい音が明確になってきていたり、コード表にとらわれずに自分が音を探せるようになっていて成長を感じた。とは言ってもコード名も理論も分からないのでまだまだ勉強することだらけなのだが。書き下ろしにしようと思っているものが一曲、まだ制作途中だがとても正直でやさしいうたになっているので楽しみにしていて欲しいです。変わってゆくものは確かに沢山あるけれどわたしという人間のなかみは変わらないし、わたしの周りに居てくれているだいすきな方々はずっとうつくしいな。