Sleep tight

ステエションズ vo,gt

2020.06.05

母がへんなビブラート混じりにSWEET MEMORIESを歌っている。ドライヤーをしているのに聞こえる。わたしが仕事で歌っていた配信を聴いたらしい。ギター教室とドラム教室の合同発表会、生徒さんの演奏する曲のサポートボーカルという仕事で、凄く新鮮な現場だった。わたしは教える立場では無いけれど、演奏後生徒さんの「楽しかったです」と笑う顔を見ると嬉しくなった。わたしもその人の楽しい、を感じる一部になれていたら良いな。スタッフさんや他のサポートの方も皆ほんとうに良いひとで、打ち上げではいつもより飲み過ぎてしまった。音楽の話や哲学のような話を沢山した。わたしの好きな曲やアーティストを聞いてはわざわざスタジオのモニターから流してくれていて、酒しか進まない。思えばご飯も食べずにひたすら飲んでいたからだと思うが、翌朝二日酔いまではいかないくらいの気だるさとアルコールが残っていた。もうちょっと飲んでいたら気持ち悪くなっていたのだろうか。危ない。わたしに歌を頼んで良かった、と今回ボーカルを探していたドラマーさんとスタジオのエンジニアさんが丁寧に言葉にして伝えて下さった。この上なく嬉しかった。わたしはいつも自分を、どのものさしで測っているのかは分からないけれど、わたし自身に落ち込んだり他人と比べて落ち込んだりということが過去に沢山ある。期待をしながら不確信なものを信じきれていない、むずかしさをずっと抱えていたし、今も抱えていると思う。抱えている。それでもわたしを信じてくれる方が居ることにとても救われている。一年前のこのくらいの時期の、スタジオ終わり。わたしの歌を勝負できる歌だ、と素直に言ってくれたひとが居る。何気なかった。飾る間が無いほど素直に伝えてくれたのが本当に嬉しかった。わたしが歌えば全部わたしの曲になる、と伝えてくれたひとも居る。一見すましてみえるけれど、笑うとかわいらしいひと。わたしの歌を好きだと、一番格好良いと伝え続けてくれるひとも居る。わたしの世界一やさしいひと。今こうして画面の向こうでわたしの文章を読んでくれている方々や、今までのライブや配信やYouTubeを聴いて下さっている方々が居る。こうやって書いていると自分がいかに幸せで恵まれているかを実感するし、何て狭い視野で物事を考えていたんだろうなあと馬鹿らしくなった。素直に言葉にして伝えることは簡単なようで難しくて、決して多くのひとが出来ることでは無いけれど、わたしの周りにはそれが出来るひとばかりだ。愛おしくて幸せだなと思う。こういう話をするといつも長くなってしまうが、それ位わたしの周りのひとびとは素晴らしい。

車窓から日本昔ばなしに出てくるような満月が見えた。窓が大きく開いていて風が心地好い。高いビルや連なる明かりを見るのも好きだが、街灯と低い建物ばかりの地元も好きだ。景色を見ながら、検温を御願いしたお兄さんのやさしい瞳を思い出した。いち店員を演じるわたしにもしっかりと目を見て話してくれるひとは、日常的に他者を他者として認識しているんだろうなと思う。凄く素敵だ。久しぶりに自分の為の買い物をした。二十歳六ヶ月で自殺した高野悦子という女性が中学時代から書き続けていた日記。「二十歳の原点」。YouTubeで動画を上げているにゃんたこという方がお勧めしていて買ってみたものだが、帰宅して少し読むつもりが止まらなくなってしまった。独りであること、未熟であること。という言葉がひどく残る。同時にとても好きな言葉だ。数ヶ月間、食料品以外で自分の為に物を買うという行為をしていなかったせいか、買い物がとても楽しく感じる。会計が済んだあとに何だか清々しい気持ちになっておかしくなった。我慢することも勿論大事だが、我慢しすぎるのもよくない。二十歳の原点を読み始めて思ったことでもあるが、何事も度が過ぎるといけないんだなと思う。